アメリカンバイクって、なんとなく夏のバイクってイメージがある。晴れた海沿いをゆったり流す感じ。だから冬に乗るって話をすると、たいてい「寒くない?」って顔をされる。当たり前だろ、バイクなんだで寒いに決まってる。実でも際どうなのか。一月の伊豆をドラッグスター400で走ってきた。幼馴染と二人で、それぞれのバイクで一泊二日。結論から言うと、走れる。調子良く走れるけど、アメリカンには冬なりのクセがある。今日はそんな話。

そもそもアメリカンは冬に弱いのか

アメリカンが冬にきついのは、寒さそのものより「風」。スクリーンもカウルも無いで、体をまるごと走行風にさらして走ることになる。上体を立てて乗る姿勢だから、頭から足まで風をまともに受ける。スポーツバイクみたいに前に伏せて風を逃がす、ってことができん。冬の走行風は、気温以上に冷たい。スピードが乗るほど、体感はどんどん下がっていく。

唯一の救いは、空冷Vツインのエンジンが股の間にあること。内ももだけはほんのり暖かいし手もかざせる。まあ焼け石に水だけどね。

一月の伊豆、山に入ると別世界

沼津のあたりは、昼過ぎだったということもありそこまで寒くなかった。海が近いせいもあるかも。きつくなったのは、R136から県道12号に入って、冷川のトンネルで峠を越えたあたり。トンネルを抜けた瞬間ぐっと冷えている。しばらく走ってると手足の感覚が薄くなっていく。信号のたびに指をグーパーして血を戻す。休憩も普段よう多めに取り毎回ホットの甘々缶コーヒーを買い手を温める。病気になるて。

防寒は「重ね着」、ただし動きは犠牲になる

寒さ対策は、シンプルに上下しっかり着込むこと。アナログだけどこれが一番効く。
強者は服の中に冬用のウェットスーツを着るらしい。10万ぐらいするからバイク用だけでは現実的ではないので持ってる方は試してみて。そのまま泳いで帰れるし一石二鳥。普通に風邪引くわ。まぁ冗談抜きで良いみたいだで興味ある方は是非。
この日はディッキーズのワークパンツに中に裏起毛の電熱パンツを履いてバッテリーを仕込んでいた。
上もノースフェイスのゴアテックスのアウターの下に電熱ジャケットとパーカーと着込んでポッケにはバッテリーを仕込んでいた。さらにボディバッグの中にはスマホ用のバッテリ−を仕込んでいたので計3個のバッテリーを体に装備していたのである。もはやロック・リーの根性と書いた重りのように身体にじわじわダメージが蓄積する。もはや修行。
一番は足つきだった。こんだけ着込んでると着ぶくれで足元の動きがモタつく。内腿付近にエンジンがあるので極端に内股で運転することができない。長い時間エンジンに触れておくとパンツが溶けて穴が空いてしまうし普通に火傷する。ドラッグスターは車体が低いから、足つき自体は良いはずなのに装備で相殺されちゃう。ここは初心者ほど気をつけたほうがいい。立ちゴケって、たいてい足まわりのモタつきから起きるし立ちゴケするとツーリングしているのに知らない人のふりされるからな、あるあるだと思うけど、怪我するし見知らぬ土地で恥隠し、ゲッツーでチェンジです。

背もたれが無いのが、冬はもっと効く

これは冬に限らない話だけど、私のドラッグスター400には背もたれが無い。
上半身を、自分の体幹とハンドルを握った腕で支え続けることになる。

で、冬はこれがもう一段きつくなる。胸で風を受けながらその風に上体を持っていかれないよう踏ん張る+寒さにも耐えなければならない。もたれる場所が無いまま、半日それを続ける。防寒の疲れと、姿勢の疲れが、後半でいっぺんに来る感じ。腰と背中に、じわじわ効いてくる。

最後まで残る敵は、手の末端

着込んでも、最後まで残るのは手先の冷え。体は重ね着でなんとかなる。
つま先もブーツ履いてるだけでは足りないからつま先用のカイロを貼っておけばなんとかなる。
気を付けなければならないのが、マグマとか超発熱とかってタイプのつま先用のカイロね。
まじで燃えてるんじゃねぇかって思うぐらい熱くなる。ブーツ履いてるともちろん運転中に脱げないし、停車して脱ぐのにも一苦労、ほかっとくと火傷するんじゃないかって運転どころじゃなくなるからカイロはノーマルタイプで。
問題は指先。裏起毛の手首まであるタイプのグローブをつけてても、しばらく走ってるとキンキンに冷えて、気づいたらグローブつけてるのに手がかじかんでる。アホか、こっちは高いグローブ付けとんだぞ。普通にキレそうになる。

これは気合いで解決する話じゃないから走らせるならグリップヒーターかダサいけどハンドルカバー、
おすすめはスノボ用のグローブ(滑らないやつね)か厚手のグローブに中にヒートテック的な薄手の手袋を重ねる、ホームセンターで売ってるゴムの軍手でも全然違う。アナログ対策で十分。次はちゃんと用意していく。

大室山の山頂で、とどめの風

実はこの日の目的地は熱海。大室山はその途中でふらっと寄っただけ。着いたのは17時前。山頂に登るリフトが17時最終受付だからギリ登れた。歩いては登れない(はず)だから時間には気を付けて。火口のふちをぐるっと歩くお鉢巡りタイプ。頂上はちょっとした軽食が売ってて飲み食いできるしお土産も売ってる。景色は冬で空気が住んでたからなのか抜群によかった。晴れてれば富士山まで見えるし金持ちの別荘のような立派な建物も見えてそこに止まってるいかにも高そうな車まで見えるから都合悪い時は視力悪ければ良かったなっていつも思う。(裸眼両眼1.5)
ただ、この日は風がとんでもなかった。(常時なのかな)地上はそうでもなかったのに山頂は暴風過ぎて吹き飛ばされそうになる。一日走って冷えた身体に、休憩する間を与えてくれない。小走りで一周してすぐ撤収。

で、結局アメリカンで冬は走れるのか

走れる。ちゃんと着込んで、手の指先を道具で守れば、冬でもアメリカンは走れる。

ただ特にアメリカンは得意な季節じゃない気がする。
真のバイク好きなら楽しめるだろうけど、私には精神鍛練にしか思えない。
ツーリング中よく「俺はどっかに出家したのか?」って思う。

結局、痛いだの寒いだのしんどいだの言ってるツーリングが一番おもしろいんだけどね。

別の記事で道中のおすすめスポットまとめてるからそちらも是非チェックよろしく卍